サブ回線のおすすめは、主回線と別の回線網(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天)を使う契約です。同じ網どうしでは、通信障害が起きると両方そろってつながりません。障害への備えだけなら、基本料0円のpovo2.0や月440円のデータeSIMで足ります。
この記事でわかること
- サブ回線を主回線と別の回線網で選ぶ理由と、網の見分け方
- ドコモの副回線サービス終了とJAPANローミングで何が変わったか
- 障害対策・番号の使い分け・データ分担の用途別の持ち方
- 維持費を0円〜数百円に抑えるときの停止・解除料の条件
- iPhoneで障害時にデータ通信を切り替える手順
公的情報源: 電気通信事業者協会「JAPANローミングについて」(参照)/Apple サポート「eSIMでデュアルSIMを活用する」(参照)
サブ回線を調べると、料金の安い順に会社を並べたランキングがたくさん出てきます。ただ、障害への備えとして持つなら、最初に見るべきなのは料金ではありません。
主回線と同じ設備を使う回線を選ぶと、いざ主回線が止まったときにサブ回線も一緒に止まります。安いからという理由で同じ網のブランドを選んでしまう例は、乗り換えの相談でもよく見かけました。
この記事の要点
- サブ回線は主回線と別の回線網から選ぶ
- ドコモの個人向け副回線サービスは2026年9月30日で終了
- JAPANローミングはデータ最大300kbps。サブ回線の代わりにはならない
- 0円で持つなら180日ごとの条件を満たさないと止まる
- iPhoneは一度に1つの番号しかデータ通信に使えないので、切り替え方を覚えておく
サブ回線は「主回線と別の回線網」で選ぶ
サブ回線とは、いま使っているスマホの回線とは別に持つ、2つ目の携帯回線のことです。役目の中心は、主回線が使えないときの逃げ道になります。
逃げ道として働くには、主回線と設備が別であることが条件です。格安SIMやオンライン専用ブランドの多くは、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルのどれかの設備を借りて提供されています。ブランド名が違っても、同じ設備なら障害の影響は同じように受けます。
主回線の網と、サブ回線に向く網の組み合わせ
| 主回線の網 | 主なブランドの例 | サブ回線に向く網 |
|---|---|---|
| ドコモ | ドコモ・ahamo | au・ソフトバンク・楽天のいずれか |
| au | au・UQ mobile・povo | ドコモ・ソフトバンク・楽天のいずれか |
| ソフトバンク | ソフトバンク・ワイモバイル・LINEMO | ドコモ・au・楽天のいずれか |
| 楽天モバイル | 楽天モバイル | ドコモ・au・ソフトバンクのいずれか |
格安SIM(MVNO)は、契約の画面で「ドコモ回線」「au回線」のように網を選ぶ形が一般的です。たとえばIIJmioは、ドコモ網とau網から選べると案内しています(IIJ「IIJmio ギガプラン」・2026年9月29日確認)。回線種別ごとの格安SIMの違いは格安SIM比較で整理しています。
同じ会社のサブブランドは、サブ回線にならない
注意したいのは、主回線と同じ会社のサブブランドです。ソフトバンクの主回線にLINEMOやワイモバイルを足す、auの主回線にpovoやUQ mobileを足す、といった組み合わせがこれにあたります。
ただ、設備が同じなので、障害への備えとしてはほとんど役に立ちません。障害対策が目的なら、会社ごと分けてください。
2026年に変わったこと|副回線サービスの終了とJAPANローミング
サブ回線の前提は、2026年に2つ変わりました。キャリアが用意していた仕組みが1つ終わり、業界共通の仕組みが1つ始まっています。
ドコモの個人向け「副回線サービス」は2026年9月30日で終了
ドコモの副回線サービスは、ドコモのスマホでデュアルSIMを使い、他社の回線に切り替えられるサービスでした。料金は個人向けで月429円(データ0.5GB・最大300kbps)です。
ドコモは、個人向けの提供を2026年9月30日で終了し、3月26日に新規受付を止めたと告知しています。法人向けは続けるとしています(NTTドコモ「副回線サービス」・2026年9月29日確認)。これまで副回線サービスで備えていた人は、別の会社のサブ回線を自分で契約して持つことになります。
JAPANローミングは「つなぐ最低限」で、サブ回線の代わりにはならない
もうひとつの変化は、2026年4月1日に始まったJAPANローミングです。災害などで契約中の会社の網が使えなくなったとき、ほかの会社の設備に切り替えて通信できるようにする仕組みで、国内の携帯4社が共同で取り組んでいます。
ただし、中身は限られています。電気通信事業者協会が示している提供の方式は2つです。
JAPANローミングとサブ回線でできること
- 始まる条件
- 大規模な災害や設備障害のときに、影響の範囲を見て各社が協議して提供する。準備に時間がかかることがある
- 使える機能
- 緊急通報だけの方式と、通話・SMS・データも使える方式の2種類
- データ通信
- 最大300kbps。MVNOの契約ではデータは一部のみ
- 費用
- 申し込み不要・月額無料
- 始まる条件
- 自分で切り替えた時点ですぐ使える。小さな障害でも使える
- 使える機能
- 契約した内容どおり。音声SIMなら別の電話番号でも通話できる
- データ通信
- 契約したプランの速度と容量で使える
- 費用
- 0円〜数百円の維持費がかかる。停止条件の管理が要る
図:JAPANローミングは大規模障害のときの最低限。いつでも自分で切り替えられるのはサブ回線だけ。
データ通信は送受信時最大300kbpsで、MVNOの契約ではデータ通信が使えるのは一部のみとされています(電気通信事業者協会「JAPANローミング(非常時事業者間ローミング)について」)。ドコモも、提供が決まってもほかの会社での受け入れ準備に時間がかかる場合があると説明しています(NTTドコモ「JAPANローミング」)。
緊急通報や短いメッセージの手段としては心強い仕組みです。一方で、仕事の連絡やネットでの作業を止めたくないなら、自分で切り替えられるサブ回線を別に持っておく意味は残ります。
用途で決めるサブ回線の持ち方は3つ
サブ回線に何をさせたいかで、選ぶ契約の形が変わります。まず用途を決めてから、網と料金を見てください。
サブ回線の用途と、合う契約の形
- 2つ目の回線に何をさせたいかで、契約の形が決まります
- 障害のときの逃げ道だけデータ通信ができれば足りる。データ専用のeSIMや、基本料0円のプランで維持費を抑える。網は主回線と別にする
- 2つ目の電話番号も欲しい仕事用と個人用を分けたい、障害時に電話も受けたい場合。音声通話つきのプランが要る。通話料の単価も確かめる
- データ容量を分担したい主回線の容量を小さくして、足りない分をサブ回線で補う。毎月数GBを使うなら、0円維持より小容量の定額のほうが管理しやすい
図:障害対策だけならデータ専用で足りる。電話番号が要るか、容量を分担するかで契約の形が変わる。
障害のときの逃げ道だけなら、データ専用で足りる
多くの人にとっての目的はこれです。障害のときに地図を開き、連絡アプリで家族や職場とやり取りできれば困りません。
その用途なら、音声通話のないデータ専用のeSIMが候補になります。IIJmioは、ドコモ網の2ギガのデータeSIMを月440円の組み合わせ例として示しています(IIJ「IIJmio ギガプラン」)。主回線がドコモ網なら、同じIIJmioでもau網を選ぶ必要がある点に気をつけてください。
2つ目の電話番号が要るなら、音声つきで選ぶ
仕事と個人で番号を分けたい人や、障害のときも電話を受けたい人は、音声通話のついたプランを選びます。Appleの案内にも、デュアルSIMの使い方として、1つの番号を仕事用・もう1つを個人用にする例が載っています。
通話が多いなら、主回線とサブ回線のどちらでかけるかで通話料が変わる点も見ておきましょう。定額や無料通話がどちらについているかを見て、よく電話する相手の「デフォルトの番号」を決めておきましょう。
維持費を抑えるときの条件|止まる・解除料がかかる
障害用のサブ回線は、ふだんほとんど使いません。そのぶん、使わないことで起きる停止や解除料を先に知っておく必要があります。
サブ回線でよく使われる契約の維持条件(2026年9月29日確認)
| 契約 | 回線網 | 月額の目安 | 使わないとき・やめるときの条件 |
|---|---|---|---|
| povo2.0 | au | 基本料0円 | 180日間、有料トッピングの購入などがないと利用停止。その後30日で契約解除 |
| IIJmio データeSIM(2ギガ) | ドコモ(au網も選べる) | 440円 | 契約解除料0円・MNP転出料0円 |
| LINEMO | ソフトバンク | プランによる | 回線提供開始月から12か月以内の解約で契約解除料990円(ベストプラン) |
出典:KDDI「povo2.0サービスの詳細」(参照・掲載は2026年7月31日現在の情報)、IIJ「IIJmio ギガプラン」(参照)、ソフトバンク「LINEMO 料金プラン」(参照)。
povo2.0は「180日」の条件を満たさないと止まる
povo2.0は基本料0円から持てるため、サブ回線の候補に挙がりやすい契約です。ただし、有料トッピングの購入などがない期間が180日続くと、順次利用停止になります。
停止後30日間も購入などがなければ、契約は解除されます。180日間の通話料・SMS料などの合計が税込660円を超えている場合は対象外です(KDDI「povo2.0サービスの詳細」)。半年に1回、何かを買う日をカレンダーに入れておくと、止まる心配を減らせます。
同一名義で6回線目以降の契約には1回線3,850円の事務手数料がかかる、という条件もあります。家族の分をまとめて契約する人は確かめてください。
短期でやめる可能性があるなら、解除料の期間を見る
「試しにサブ回線を持ってみて、合わなければやめる」という持ち方なら、解除料の条件が効いてきます。LINEMOは、新規契約・乗り換えから12か月以内に解約すると、ベストプランで990円の契約解除料がかかると案内しています(ソフトバンク「LINEMO 料金プラン」)。
月額が安くても、途中でやめる費用まで入れて比べると順位が入れ替わることがあります。ahamo・povo・LINEMOの料金の比べ方はahamo・povo・LINEMOの比較にまとめました。
iPhoneで障害時にサブ回線へ切り替える手順
デュアルSIMは、2つの回線を1台のスマホに入れて使う機能です。iPhoneならiPhone XS・XS Max・XR以降が対応しています。
ここで押さえたいのは、Appleの説明にある「一度に利用できるモバイルデータ通信ネットワークは1つだけ」という点です(Apple サポート「eSIMでデュアルSIMを活用する」)。主回線が障害で止まっても、データ通信は自動では移りません。自分で切り替える必要があります。
主回線が止まったときの切り替え(iPhone)
- 平時に一度通しておくと、障害の当日に迷いません
- 1設定アプリを開く「モバイル通信」または「モバイルデータ通信」をタップする
- 2「モバイルデータ通信」をタップするいまデータ通信に使っている番号が表示される
- 3サブ回線の番号を選ぶデータ通信がサブ回線に移る。プランにラベルを付けておくと選び間違えない
- 4地図や連絡アプリが開けるか確かめる通信できれば切り替えは完了。主回線が戻ったら同じ手順で元に戻す
「モバイルデータ通信の切り替えを許可」は通話中にデータを使うための設定で、障害時の自動切り替えではない。
図:iPhoneは一度に1つの番号しかデータ通信に使えないため、障害時は手動で番号を切り替える。
「切り替えを許可」は障害用のスイッチではない
設定画面にある「モバイルデータ通信の切り替えを許可」は、名前から障害時に自動で切り替わる機能のように見えます。Appleの説明では、音声通話専用の番号で通話している間、その番号が音声とデータの両方を使うように切り替わる設定です。
障害への備えとしては、上の手順でデータ通信に使う番号を手で選び直すのが確実です。
別の会社の回線を入れるにはSIMロックの解除が要る
Appleは、異なる2つの通信事業者を使うには、利用中の通信事業者がiPhoneのロックを解除している必要があるとしています。古い端末を使っている人は、サブ回線を申し込む前にSIMロックの状態を確かめてください。
家の光回線が止まったときも、サブ回線が使える
サブ回線が役に立つのは、スマホの回線が止まったときだけではありません。自宅の光回線が止まったときにも、サブ回線のテザリングで作業を続けられます。
主回線のスマホでテザリングしようとしても、主回線の容量を一気に使ってしまいがちです。サブ回線に数GBの容量があれば、その分をパソコンに回せます。
光回線の不調の切り分け方はWiFiが繋がらない原因と対処法で、テザリングを含む工事不要の回線の使い分けは工事不要で使える回線の選び方を参考にしてください。
サブ回線がなくても困りにくい人
- 家でも職場でもWi-Fiにつながる時間がほとんど
- 障害の日に数時間つながらなくても仕事や連絡に支障がない
- 家族が別の網の回線を持っていて、非常時に借りられる
当てはまる人は、JAPANローミングと家のWi-Fiで最低限はしのげます。サブ回線を持つかどうかは、止まったときに困る度合いで決めて構いません。
よくある質問
Q1:サブ回線はどの会社がおすすめですか?
主回線と別の回線網を使う会社がおすすめです。主回線がドコモ網ならau・ソフトバンク・楽天の網から、au網ならドコモ・ソフトバンク・楽天の網から選びます。
障害への備えだけなら、基本料0円のpovo2.0(au網)や、月440円のIIJmioのデータeSIM(ドコモ網・2ギガ)のように、維持費の小さい契約で足ります。
Q2:主回線と副回線の違いは何ですか?
主回線は、ふだん通話やデータ通信に使っているメインの回線です。副回線(サブ回線)は、主回線とは別に持つ2つ目の回線を指します。
iPhoneでは「デフォルトの番号」や「モバイルデータ通信に使う番号」を設定で選ぶ仕組みです。一度にデータ通信に使える番号は1つだけなので、障害の時は使う番号を切り替えます。
Q3:データ通信のみのサブ回線で足りますか?
障害のときに地図や連絡アプリを使えれば十分という人は、データ通信のみで足ります。電話番号が不要なぶん、月額も小さく抑えやすいでしょう。
障害のときにも電話を受けたい、仕事用の番号を分けたいという人は、音声通話つきの契約が必要です。
Q4:povo2.0をサブ回線で0円のまま持てますか?
基本料は0円ですが、有料トッピングの購入などがない期間が180日続くと利用停止になり、その後30日で契約が解除されます。180日間の通話料やSMS料などの合計が税込660円を超えていれば対象外です。
0円のまま持つつもりなら、半年に1回は何かを購入する日を決めておいてください。
Q5:JAPANローミングがあればサブ回線はいりませんか?
JAPANローミングは大規模な障害や災害のときに提供される仕組みで、データ通信は最大300kbpsです。緊急通報だけが使える方式で提供されることもあります。
小さな障害では提供されないこともあるので、自分で切り替えてすぐ使える手段が欲しいなら、サブ回線を持つ意味は残ります。
まとめ
サブ回線は、料金より先に主回線と網が別かどうかで選ぶと失敗しません。
この記事のまとめ
- サブ回線は主回線と別の回線網から選ぶ。同じ会社のサブブランドは備えにならない
- ドコモの個人向け副回線サービスは2026年9月30日で終了
- JAPANローミングは大規模障害のときの最低限。データは最大300kbps
- 0円で持つなら180日ごとの条件、短期でやめるなら解除料の期間を確かめる
- iPhoneは障害時にデータ通信の番号を手で切り替える
まず、いまの主回線がどの網かを確かめてください。そのうえで別の網から1つ選び、平時に一度切り替えを試しておけば、障害の当日に慌てずに済みます。




※本記事は電気通信事業者協会・NTTドコモ・KDDI・IIJ・ソフトバンク・Appleの公開情報をもとに、2026年9月29日時点で整理しました。料金・提供条件・サービスの提供状況は改定されることがあり、JAPANローミングの提供方式は障害の状況によって異なります。契約の判断にあたっては、各社の公式サイトで最新の条件をご確認ください。

